国際フォーラム

 日本の医療および看護は、1945年の敗戦によって、それまでのドイツを範としたものから、米国の指導によるものへと大きな変革を遂げることとなりました。しかし、医学校、看護学校の教育システムは旧態依然のままのところが多く、先進諸国の医療レベルに大きく送れをとる事態になっていました。欧米の医療事情に通じていた日野原理事長は、欧米のトップにあって活動している医療・看護の専門家を招聘して、いまの世界の医療はどのようになっているのか、そして日本はどうなのか、欧米の医学・医療に伍していくためには日本はどこを改革しなければならないかを率直に論議する場を設けたいと考え、1975年7月3〜5日・第1回の「医療と教育に関する国際セミナー」が開催されました。以降毎年この事業は継続され、時代の趨勢とともに、1997年より、もっと小規模で身近な問題を論議するために「国際フォーラム&ワークショップ」として設定し、現在に至っています。


より質の高いケアをめざすNext Step
「医療と対人援助におけるナラティブ・アプローチ」
語りから紡ぐ援助の関係性を学ぶ

開催日時 2015年8月8日(土)9:30〜17:30
2015年8月9日(日)9:00〜12:30
開催場所 聖路加国際大学ホール(東京都中央区)
海外講師 Deepthiman Gowda,M.D.,M.P.H.Associate Professor of Medicine at Columbia University Medical Center.
コロンビア大学の医学部の准教授として,基礎医学や臨床免疫学のコースの教鞭をとり,外来診療では,予防医療のためのスクリーニングや臨床推論を専門おする。コメディカルの臨床チームの創造的な活動のための同大学でのナラティブプログラムに1999年より中心的に関わっており,世界各国から参加する医療者に対しNarrative Medicineのワークショップのグループでの議論をリードしてきた。写真を使ったビジュアル・アートと医学教育プロジェクトの新しい試みも積極的に行なっている。
プランナー 斎藤 清二
立命館大学大学院応用科学研究科特別招聘教授
1975年新潟大学医学部卒業。県立がんセンター新潟病院,東京女子医科大学消化器病センター,新潟大学医学部附属病院第3内科などでの臨床研修を経て,79年富山医科薬科大学医学部第3内科助教授,02年より富山大学保健管理センター長・教授,15年4月より現職。2000年に『Narrative Based Medicine 』の翻訳を機会に,医療/医学におけるナラティブ・アプローチについての,理論・実践・教育・研究をテーマに活動。2012年に『ナラティブ・メディスン―物語能力が医療を変える』の翻訳出版に関わる。
国内講師  尾藤誠司(国立病院機構東京医療センター臨床研究科医長)
山内英子(聖路加国際病院ブレストセンター長)
岸本寛史(高槻赤十字病院緩和ケア診療科部長)
栗原幸江(都立駒込病院緩和ケア科)
日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長)
プログラム 【第1日目:8月8日(土)9:30―17:30】
・開会挨拶:はじめに  日野原重明
・「ナラティブ・メディスン―概観とトピックス―」
 Deepthiman Gowda,M.D.,M.P.H.Associate Professor of Medicine at Columbia University Medical Center.
・ディスカッション  聴衆と演者(Dr.Gowda)/司会:斎藤清二
・「総合診療における患者の語りにどう向き合うか」 尾藤誠司
・「がん治療における患者の語りにどう向き合うか」 山内英子
・コメントとディスカッション Dr.Gowda/尾藤誠司/山内英子,司会:斎藤清二
・「いわゆる”せん妄”の語りにどう向き合うか―感情に焦点をあてて―」 岸本寛史
・「スタッフケアとナラティブ・アプローチ」 栗原幸江
・コメントとディスカッション  Dr.Gowda/岸本寛史/栗原幸江,司会:斎藤清二

【第2日目:8月9日(日)9:00―12:30】
・ワークショップ「ナラティブ・コミュニケーションを養う」 Deepthiman Gowa,M.D.
・ディスカッション「患者と歩むナラティブ・アプローチの浸透のために
  Dr.Gowda/斎藤清二/尾藤誠司/山内英子/岸本寛史/栗原幸江/聴衆の方々
・まとめと閉会挨拶  日野原重明
 ナラティブとは、日本語では「物語」「語り」「物語り」「ものがたり」などと訳されています。なぜ医療において、それどころか人生一般において、物語は大きな力を持つのでしょうか。それは物語が「経験を意味づける」働きを持つからです。私たちの誰もが、刻々と経験する出来事の連鎖を物語的に意味づけながら生きています。医療や対人援助の現場で物語を大切にする姿勢をナラティブ・アプローチと呼び、実践における良好な関係性を育むアプローチとして注目されています。ナラティブ・メディスン(Narrative Medicine)は、米国コロンビア大学のRita Charon教授によって提唱された、医療におけるナラティブ・アプローチの新しいムーブメントです。今回は、コロンビア大学でCharon教授とともにナラティブ・メディスンの教育・指導に関わっておられるDeepthiman Gowda先生をお招きし、臨床現場で患者援助に熱心に関わり、経験豊かな国内講師陣と共に、ナラティブ・アプローチの実際を、講義、ワークショップ。、ディスカッション等の体験を通じて、参加者の皆さんと共に学びました。

  

  


より質の高い高齢者医療の実現を目指して
〜多用性時代の医療コミュニケーション〜

開催日時 2014年7月5日(土)9:30〜17:30
開催場所 聖路加国際大学ホール(東京都中央区)
海外講師 Ed Peile EdD,FRCP,FRCPCH,FRCGP,FHEA,EAcadMEd
英国Warwick大学医学教育学名誉教授
英国Warwick大学医学教育学名誉教授,Exeter医科大学教育部門特任副部長など3つの英国王立医学大学に勤務。医学教育分野でThe Academy of Medical Educatorsの最高金賞を受賞(2009年)した。
現在臨床からは離れ,特に,Value-Based Practiceの研究を行なっている。
Journal of Education for Primary Careの編集にも携わっており,医学教育のコンサルティングを請け負うなど,国際的に活躍されている。
医学教育研究における名誉ある賞である
Karolinska Institutet Prizeの選定委員も務められている。
プランナー 尾藤 誠司
国立病院機構東京医療センター 臨床研修科医長
岐阜大学医学部卒。国立長崎中央病院,国立佐渡療養所,米UCLA公衆衛生大学院を経て,2008年より現職。実地診療,医師・看護師教育とともに,岐阜−医療者関係などを中心に研究。
「もはやヒポクラテルではいられない21世紀新医師宣言プロジェクト」の中心メンバー。共著・著書多数。
国内講師  京極真(吉備国際大学大学院保健科学研究科准教授)
岡本左和子(奈良県医科大学健康政策医学講座助教)
日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長)
道場信孝(ライフ・プランニング・センター研究教育部最高顧問)
プログラム ・開会挨拶:はじめに  道場信孝
・講演T「最良の臨床決断に必要なEBMとVBM:VBMの理解とその実践を中心にして」Professor Ed Peile
・講演U「コミュニケーションにおける信念対立の克服:信念対立解明アプローチの基礎と実践」京極真
・講演V「医療者と受療者の価値観の調整におけるコミュニケーション」岡本左和子
・講演W「EBMとEVM(Earned Value Management)をともに拡げるための臨床教育をどのように行なうか」Professor Ed Peile
・講演X「関係性に基づく医療」と「ともに考えるインフォームド・コンセント」尾藤誠司
・パネルディスカッション「いま医療におけるコミュニケーションにおいて 何がなされるべきか」
 ファシリテータ:尾藤誠司
 ディスカッサー:岡本左和子・京極真・道場信孝・Professor Ed Peile
・まとめ「患者とともにある医療者の姿勢とは」道場信孝
 Evidence-Based Medicine(EBM)を基盤としつつ,患者へのケアに関わる医療専門職,患者家族,さらには保険者など,異なる立場が持つ多様な価値に配慮したValue-Based Medicine(VBM)の概念が近年注目されつつあります。
 今回はこの分野の専門家であるProfessor Ed Peileの提言を受けつつ,医療におけるコミュニケーションと,受療者への最善となる意思決定を行なうためのプロセスについて多職種の講師とともに学習を深めました。

     

    

より質の高い高齢者医療の実現を目指して
〜すべてのヘルスケア・プロフェッショナルのために〜

開催日時 2013年7月13日(土)9:30〜17:00
2013年7月14日(日)9:00〜12:30
開催場所 聖路加看護大学ホール(東京都中央区)
海外講師 Nathan Goldstein,M.D
Mount Sinaii医科大学老年医学科准教授

Carleton College in Norhfield,MNを優等で卒業、Mount Sinai Medical Centerで内科の卒後研修を修了した後、Yale大学医学部においてHealth Services Researchの訓練を受け、その後Mount Sinaiへ戻って臨床老年医学のfellowshipを修了し、現職に至る。専門分野は高齢者の疼痛、緩和ケア、EOLの患者に対する先進テクノロジーの応用などであり、さらに、植え込み型除細動器の取り外しに関する患者と医師のコミュニケーションのありかたの検証にも関わっている臨床研究者である。
国内講師 迫井 正深 (厚生労働省老健局老人保健課長)
大内 尉義 (国家公務員共済組合連合会 虎の門病院長)
西川 満則 (国立長寿医療研究センター 緩和ケア診療部・在宅連携医療部・内科総合診療部
宮本 千恵美 (順天堂大学医学部附属練馬病院医療支援センター看護相談室)
小坂 陽一 (東北大学病院老年科助教)
日野原 重明 (一般財団法人ライフ・プランニング・センター理事長・一般財団法人聖路加国際メディカルセンター理事長)
道場 信孝 般財団法人ライフ・プランニング・センター研究教育部最高顧問)
プログラム 7月13日(土)9:30〜17:00
・開会挨拶  日野原重明
・講演1:「高齢者医療の現状と将来構想」迫井正深
・講演2:「包括的高齢者医療の課題とその取り組み」大内尉義
・講演3:「米国における高齢者の緩和ケア:Palliative careの新たな展開」Nathan Goldstein,M.D.
・講演4:「わが国のEOLにおける高齢者医療のこれから」西川満則
・講演5:「わが国の高齢者におけるEOLケアのこれから−在宅を中心に−」宮本千恵美
・パネル討論:「超高齢社会の終末期医療の課題と方策」
 司会:道場信孝
 パネリスト:
  迫井正深・大内尉義・Nathan Goldstein,M.D.・西川満則・宮本千恵美
・講演6:「米国の高齢者緩和ケアにおける最近の問題点について」Nathan Goldstein,M.D.
・質疑応答

7月14日(日)9:00〜12:30
・講演1:「わが国の高齢者医療において遭遇する倫理的問題と対応」小坂陽一
・講演U:「高齢者医療における倫理的問題−人工的水分・栄養補給法に関する問題を中心に−」会田薫子
・講演V:「米国における臨床老年医学−倫理的問題について−」Nathan Goldstein,M.D
・パネル討論:「倫理的観点からみた高齢医療の問題点と方策」
 司会:道場信孝
 パネリスト:
 小坂陽一・会田薫子・・Nathan Goldstein,M.D.・大内尉義
・講演W:「ゆたかな高齢者医療の実現のためへ提言」日野原重明



がん医療The Next Step
がん医療にサポーティブケアの導入を

開催日時 2012年7月14日(土)9:30〜16:30
2012年7月15日(日)9:00〜12:00
開催場所 聖路加看護大学ホール(東京都中央区)
海外講師 Sriram Yennu,M.D.
テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンター専任講師
1995年ハイデラバード(インド),オスマニア(インド)大学で健康科学,外科の学士および医学士をとり,94〜95年オスマニア総合病院にて臨床インターン,97〜98年マウントサイナイ病院等で臨床研修。02〜03年ニューヨーク医科大学フェローシップ,03〜04年M.D.アンダーソンがんセンターで臨床フェローシップ。97年より同センターで緩和ケア・リハビリテーション医学部門腫瘍内科学分野に在席。11年バイオ医学を大学院で学ぶ。がんサポーティブケアの多国籍協会のメンバーでもある。
国内講師 山内 英子(聖路加国際病院ブレストセンター長)
松岡 順治(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科緩和医療学講座教授)
宮下 美香(広島大学大学院医歯薬保健学研究院教授)
山内 照夫(聖路加国際病院オンコロジーセンター長)
坂下 美彦(千葉がんセンターサポーティブケア室長)
辻 哲也(慶應義塾大学医学部リハビリテーション医学教室准教授)
中村 めぐみ(聖路加国際病院教育研修部副部長・がん看護専門看護師
日野原 重明(聖路加国際病院理事長,(財)ライフ・プランニング・センター理事長・内科医)
プログラム 7月14日(土)9:30〜16:30
・開会挨拶  日野原重明
・講演1:医療者とキャンサーサバイバーの連携-2011年国際フォーラムの報告」山内英子・松岡順治
・講演2:「キャンサーサバイバーのニーズに応えるケアとは」宮下美香
・講演3:「がん治療外来での患者のQOLに関する問題点」山内照夫
・講演4:「M.D.アンダーソンがんセンターにおけるサポーティブケアの導入と成果」Sriram Yennu
・講演5:「がん医療Nextステップ 外来におけるサポーティブケア」坂下美彦
・講演6:「がん医療Nextステップ わが国におけるがんリハビリテーションの現状と展望」辻哲也
・質疑応答

7月15日(日)9:00〜12:00
・講演1:「がん医療の中にサポートケアを統合させるための戦略」Sriram Yennu
・シンポジウム
 ファシリテータ:松岡英子 松岡順治
 シンポジスト:Sriram Yennu 宮下美香 山内照夫 坂下美彦 辻哲也
 「今,がん医療の中で何が求められているか ともに歩むサポーティブケアの浸透のために」
・質疑応答
・まとめ  日野原重明

オプションプログラム 13:00〜16:30
 サポーティブケアからみる「がん患者の苦痛症状のコントロール」
  ファシリテータ:山内英子 松岡順治
  担当講師:山内照夫・坂下美彦・中村めぐみ・Sriram Yennu
・本プログラムの総括 山内英子
−医療の中での キャンサーサバイバーをめぐるさまざまな問題−
・症状コントロールにおいての患者のニーズ  中村めぐみ
・治療中、その後の患者の思い  都倉亮氏・土本亜理子氏
・ディスカッション
・2012年がん医療The Next Step提言
 2011年にキャンサーサバイバーシップ(がん経験者及び家族が遭遇するさまざまな問題を対処するための活動)を取り上げた。わが国においてまだ耳慣れない言葉であるキャンサーサバイバーは,米国では公的機関が提言した「がんと診断された時より生涯にわたって,その人はキャンサーサバイバーでありその周辺で関わる人たちもまた同様である(1996年)」との考えを元に,さまざまな人たちが医療・介護・社会生活について発言し,強い影響を与えていると報告があった。これを受けてこの分野のわが国での取り組みを今後も発信していこうという呼びかけが,医療者と患者との最後のセッションで交わされた。
 本年は,がん医療における”サポーティブケア”の具体的な取り組みに焦点をあて,世界のがん医療をリードしてきたMDアンダーソンがんセンターからSriram Yennu先生をお迎えした。また,国内で先駆的な活動をしておられる講師に加わっていただき,わが国におけるサポーティブケアの展開の可能性について討議を深めた。

      

        

     


がん医療The Next Step
自分らしく生きるためのキャンサーサバイバーシップの理解と
わが国における展開

開催日時 2011年7月9日(土)9:30〜17:00
2011年7月10日(日)9:30〜12:00
開催場所 聖路加看護大学ホール(東京都中央区)
海外講師 Lewis E..Foxhall
テキサス大学M.D.アンダーソンがんセンター
臨床癌予防学教授
Lewis E.Foxhall博士はキャンサーサバイバー教育のワーキンググループの責任者であり、そのカリキュラム構築に関わっている。テキサス大学医学部で家庭医と地域臨床科准教授である。また、テキサス州がんデータセンターのディレクターであり、包括的ながん対策のメンバーで米国癌協会(ACS)の役員も務める。また、Lewis E.Foxhall博士はテキサス大学オースティン校とベイラー医科大学から医学学士号を取得している。
国内講師 山内 英子(聖路加国際病院ブレストセンター長)
松岡 順治(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科緩和医療学講座教授)
石田 也寸志(聖路加国際病院小児科医長,聖ルカ・ライフサイエンス研究所臨床疫学センター医学リサーチ主任)
丸田 俊彦(メイヨー・クリニック医科大学精神神経科名誉教授、慶應義塾大学医学部精神神経科客員教授、サイコセラピー・プロセス研究所所長)
桜井 なおみ(NPO法人 HOPE★プロジェクト理事長)
小山 富美子(近畿大学医学部附属病院がんセンター,がん看護専門看護師)
山内 照夫(聖路加国際病院腫瘍内科部長/オンコロジーセンター長)
日野原 重明(聖路加国際病院理事長,(財)ライフ・プランニング・センター理事長・内科医)
プログラム 7月9日(土)9:30〜17:00
・開会挨拶  日野原重明
・講演1:「アメリカにおけるサバイバーシップの実際 歴史的背景も含めて」Lewis E.Foxhall
・講演2:「小児がんにおけるサバイバーシップの役割とその発展」石田也寸志
・講演3:「サバイバーシップにおける精神的サポート」丸田俊彦
・講演4:「キャンサーサバイバーとして生きる」桜井なおみ
・質疑応答
・講演5:「サバイバーシップの実践 サバイバーシップ外来の実際」Lewis E.Foxhall
・講演6:日本でもサバイバーシップ外来を立ち上げて医師の立場から」小山富美子
・質疑応答

7月10日(日)9:30〜12:00
・シンポジウム
 ファシリテータ:松岡英子 松岡順治
 「日本でサバイバーシップを推進するには」
  それぞれの立場から
・質疑応答
・まとめ

オプションプログラム 13:00〜15:30
 自分らしく生きるためのキャンサーサバイバーワークショップ
   ファシリテータ:Lewis E..Foxhall 山内英子 松岡順治
発言者:天野慎介(グループNEXUS)小嶋修一(TBSテレビ報道局)桜井なおみ(NPO法人HOPE★プロジェクト)樋口明子((財)がんの子供を守る会)真島喜幸(特定非営利活動法人パンキャンジャパン)

 これまでのわが国におけるがん医療は、疾患そのものの治癒に重点がおかれ、患者の生活の質の低下や治療によって引き起こされた種々の障害などについては充分な関心が払われることが少なかったといえましょう。しかし、がん対策推進基本計画などの契機として、ここ数年治療中やその後の療養生活全体を通じて、患者自身が自分らしく生きるための支援の重要性が注目されるようになりつつあります。
 今回、サバイバーシップ(がん経験者および家族が遭遇する問題への対処)の支援とその役割について、この分野で先駆的活動をしておられる米国のM.D.アンダーソンがんセンターよりLewisE.Foxhall博士をお招きしフォーラムを開催いたしました。
 さて、当フォーラムでもがんサバイバー(survivor,がん患者や経験者,およびサポーターなど)にあたる適切な日本語訳をということがひとつの課題となりましたが、結論はでませんでした。近代医療の発達によって、早期がんによる死亡率は減少を示してはいますが、その一方で、予後の不調や再発におびえる患者の数は増え続けています。米国などでは早くから、患者ががんとともに生きていくために何ができるかを支えていくということを、医療職のみならず、がん患者やその家族、そして一般のボランティアを巻き込んでさまざまなかたちで展開しています。また日本においても日本対がん協会の「リレー・フォー・ライフジャパン」など多くの取り組みが始まっています。
 今後、がんを経験した方が、生活していく上で直面する課題を、家族や医療関係者、他の経験者と共に乗りこえ、そのための精神的・環境的・社会的サポートをどのように整えていくか、参加者ひとりひとりに課された課題となりました。

  


高齢者医療における緩和ケア
―脆弱高齢者に対する質の高い医療の実現へ向けて―

開催日時 2010年7月17日(土)9:50〜18:00
2010年7月18日(日)9:30〜16:00
開催場所 女性と仕事の未来館(東京都港区)
海外講師 Nathan Goldstein MD
Mount Sinai医科大学老年医学科に所属する新進気鋭の専門医であり、また同大学の老年科と成人発達医学科の助教授でもあります。Carleton College in Norhfield,MNを優等で卒業、Mount Sinai Medical Centerで内科の卒後研修を修了した後、Yale大学医学部においてHealth Services Researchの訓練を受けました。その後Mount Sinaiへ戻って臨床老年医学のfellowshipを修了し、2004年より現職にあります。専門分野は高齢者の疼痛、緩和ケア、高齢者の終生期における先進テクノロジーの応用などですが、同時に研究分野は多岐にわたっており、緩和ケアの領域のみならず一般内科の分野に関しても多くの論文を発表しておられます。特に緩和ケアについては米国内で広く講演活動をされ、NBC、CCNニュースやWashingtoton Postにもたびたび取り上げられています。
Mary Therese Ersek,PhD,RN,FAAN
Center for Integrative Science in AgingとJohn A.Hartford Center of Geriatric NursingEzcellence の副所長であり、同時にPennsylnania大学看護学科の准教授でもあります。先生はGeorgetown Universityで看護学のBS,そしてその後University of Washintonで看護学のMaster care mionやMasterとPhDを取得しました。またAmerican Academy of NursingのFellowでもあります。現在、看護学校でPalliative care minorやper-and post-dodtorai fellow and studentsの指導をされ、End-of-life Nursing Education Consortrim(ELNEC)のプログラム主任でもあります。過去数年間、NHIなどの研究助成のもとに高齢者の疼痛と緩和ケアを中心とした研究プログラムを高齢者施設の入所者を対象に開始し、指導的な立場でかかわっておられます。
国内講師 大内尉義(東京大学大学院医学系研究科加齢医学講座教授)
松本佐和子(財団法人湯浅報恩会寿泉堂綜合病院法人看護部係長)
日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長,聖路加国際病院理事長)
ファシリテータ:
道場信孝(ライフ・プランニング・センター研究教育部最高顧問)
プログラム 7月17日(土)9:50〜18:00
・開会挨拶  日野原重明
・講演1:「高齢者の緩和ケアと質の評価 進行性疾患のケアの質の評価の方法」Nathan Goldstein
・講演2:「高齢者の脆弱化 病態生理学から見た高齢者の脆弱化の定義と一般的な脆弱化の考え方との違い」Nathan Goldstein
・講演3:「脆弱高齢者に対する老年医学的ケアモデル 米国において効果が証明されている異なるヘルスケア供給のモデルについての解説」Mary Therse Ersek
・講演4:「脆弱高齢者のケアにおける多職種連携チームケアの重要性 患者と家族のケアニーズにおける緩和ケア多職種連携チームのかかわりMary Therse Ersek
・講演5:「わが国における卒前・卒後の老年医学教育の現状と将来への展望」
大内尉義
・講演6:「わが国の脆弱高齢者のケアにおける現場での問題点について」松本佐和子
・パネルディスカッション
 わが国の脆弱高齢者ケアの質の向上のための戦略
  1)医師の立場からの助言:Nathan Goldstein
  2)看護師の立場からの助言:Mary Therse Ersek
  司会:道場信孝 パネリスト:Nathan Goldstein Mary Therse Ersek
                    大内尉義  松本佐和子

7月18日(日)9:30〜12:00
・講演7:「認知症患者の緩和ケア」Nathan Goldstein Mary Therse Ersek
  1)疼痛を中心とした認知症患者の症状の評価
  2)補液と人工栄養に関する決定の際の家族への支援方法
  3)患者と援助者のためのスピリチュアル・ケア
・質疑応答 Nathan Goldstein Mary Therse Ersek
・まとめ  日野原重明

ナースのためのオプションプログラム 13:00〜16:30
 緩和ケア患者の症状評価のためのワークショップ
   講師:Mary Therse Ersek
 社会の高齢化がこの先も加速される現状において、高齢者医療の充実は必須の社会的課題であり、少なくとも10年先を見据えた問題解決への道筋を立てて実践へ移していかなければなりません。今回は、作年の「終末期高齢者の緩和ケア」から、「脆弱高齢者の緩和ケア」への話題を発展させ、一段と質の高い医療を目指すフォーラムを企画しました。参加者は述べ304名で、3分の2が看護教育施設の教育者と高齢者ケアに関わっている看護師で占められていました。
 わが国における高齢者医療は、必ずしも老年医学を専門とする医師や看護師などの医療者によって行われているわけではありません。経験的に高齢者を多く扱う医療機関やかかりつけ医が主体となっていることから、一貫した方向性に欠けており、高齢者医療がどこへ向かってどのように医療を充実させ、質を高めるのかの戦略を立てずに行われているのが実情です。
 高齢者の医療は根治の医療から緩和の医療へとシフトしていくことから、緩和ケアそのものに対する十分な理解を持つことが重要であり、加えてケアの質の向上をはかることも常に心がけていかなければなりません。本フォーラムを通じて、医療システムやその運用において先行している米国における高齢者の緩和ケアを学ぶこでこれからの日本がとるべき方向性や質の向上に向けての戦略を立てることが可能になると思われます。
 今回は講師としてニューヨークにあるマウント・サイナイ医科大学老年科のゴールドシュテイン医師とペンシルバニア大学看護学科のアーセック看護師をお招きしました。
 2006年、2009年、2010年と3回にわたって高齢者の健康の維持・増進・終末期ケア、そして今回の脆弱高齢者に対する質の高いケアの実現をテーマに、LPC国際フォーラムを開催してきました。これらを通じて高齢者ケアの方向性は十分に明らかにされ、目標到達への理論的、そして、実践的道筋を示すことができたと思います。あとは、効果的に問題解決への努力をかさねながら10年後の成果を期待したいと思います。

Nathan Goldstein MD Mary Therese Ersek,PhD,RN,FAAN 大内尉義先生  

松本佐和子先生 パネルディスカッション 会場の様子 

テクニカル・セッション テクニカル・セッション ワークショップ 


高齢者の終生期における緩和ケアへの新しいアプローチ
―終末期医療・介護の問題にどう取り組むか―

開催日時 2009年7月4日(土)10:30〜18:30
2009年7月5日(日)9:30〜16:00
開催場所 聖路加看護大学ホール(東京都中央区)
海外講師 Dr.R.Sean Morrison
(米国国立緩和ケアセンター所長・Mount Sinai医科大学附属Hertzberg緩和ケア研究所副所長)
Chicago大学のPritzker医学部を卒業後、New York Hospital Cornell Medical Centerの内科のレジデントを経てMount Sinai医科大学老年医学科でフェローシップを修了し、1996年Mount Sinaiで教職に携る。
研究分野は、終生期における意思決定、高リスクの患者に対する疼痛、その他症状の緩和、および緩和ケアにおける質の評価など多岐にわたる。さらに健常高齢者および重症疾患を有する高齢者患者のケアに積極的に関わっている臨床医でもある。

Jane Morris,MS,RN,ACHPN
(ニューヨーククイーンズ区ホスピスケアネットワークマネジャー・元Hertzberg緩和ケア研究臨床マネージャー)
Long Island大学でBSを取得し、Adelphi大学で老年看護学のMSを得ているほか、Advanced Practice Hospice and Palliative Nurse(ACHPN)として国家資格を有している。
Mpunt Sinai病院の老年科リハビリテーションナーシングのClinical Directorを務めProject on Death in America Faculty Scholarとして多くの賞を受賞。現在ニューヨーク州ホスピス・緩和ケア協会の理事を務めるかたわらマッサージ療法のテラピストでもあって、Hertzberg緩和ケア研究所においてマッサージ療法として広く普及している。
国内講師 桑田美代子(青梅慶友病院看護介護開発室長・老年看護専門看護師)
山崎章郎(聖ヨハネホスピスケア研究所所長,ケアタウン小平クリニック院長)
日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長,聖路加国際病院理事長)
ファシリテータ:
道場信孝(ライフ・プランニング・センター研究教育部最高顧問)
プログラム 7月4日(土)10:00-18:30
・開会挨拶  日野原重明
・講演1:「未来へのプラン:高齢化社会における需要への提言」Sean Morrison
・講演2:「沈黙の中の苦痛:認知症患者のケアの改善」Jane Morris
・質疑応答
・教育講演1:「わが国のエンド・オブ・ライフの課題 高齢者施設の現場から」桑田美代子
・教育講演2:「わが国のエンド・オブ・ライフの課題 在宅医療の現場から」山崎章郎
・パネルディスカッション
 わが国における高齢者緩和ケアを成功させるために
  司会:道場信孝 パネリスト:Sean Morrison  Jane Morris 
                    桑田美代子  山崎章郎
・プレゼンtレーション
 「病院緩和ケアの組織的モデル」担当:Sean Morrison
 「コミュニティにおける緩和ケア」担当:Jane Morris
・日本オスラー協会特別講演「オスラーの死生観によせて」日野原重明

7月5日(日)10:00-16:00
・講演3:「疼痛と非疼痛症状のマネジメント」Sean Morrison
・講演4:「臨死における患者と家族のケア」Jane Morris
     「ケアのゴール、そして、治療の継続/中止の決定」Sean Morrison
・講演5:「緩和ケアと老年医学研究の未来像」Sean Morrison
・質疑応答 司会:道場信孝  担当:Sean Morrison Jane Morris
 参加者と講師のフリーディスカッション
・まとめ  日野原重明

オプションプログラム
重症患者へのマッサージセラピー  Jane Morris
・終末期重症患者のケアにおけるマッサージの有用性について
・マッサージテクニックのデモンストレーションと初歩ケクニックの習得   
 2007年4月から施行された「がん対策基本法」によりわが国における終末期医療については制度上一応の進展をみせています。一方で神経難病や進行性の認知症、あるいは臓器不全を有するひとたちの終末期をどのようにケアするかについてはいまだ多くの問題が残されているといえます。とくに近年急速に増加している高齢者の終生期(エンド・オブ・ライフ)のケアについては緊急に対応を迫られている社会問題の一つと位置づけられます。
 人生の終章のときを、多くの健康上の問題をかかえながら生きる高齢の人たちが何を求め、またその人たちになにができるかを真摯に問いながら、価値ある医療・看護・介護の方向性を決めていくことが必要です。
 諸外国でもまだ新しい分野である「高齢者の終末期における緩和ケア」をテーマに、世界的な緩和医療のリーダーとして活躍しておられる米国国立緩和ケア研究センター所長Dr.R.Sean Morrisonと、そのチームメートであるMs.Jane Morris、また日本における終末期医療の先進的取り組みをされている青梅慶友病院の桑田美代子先生、ケアタウン小平クリニックの山崎章郎先生をお招きし、高齢者の終末期ケアへの新しいアプローチについて、共通コンセプトを持ちながら、積極的な行動目標を持てるよう、参加者の方からの質疑応答を交えながら議論を深めました。
 地域で終生期の緩和ケアを始めるにあたって、そのスタートの原点をどう考えるかでは、桑田先生は「安らかな死というのはだれもが望むこと。自分たち看護にあたるものにとって、安らかな死を迎えていただくことは使命であるという覚悟が大切なのではないか」、山崎先生は「エンド・オブ・ライフの目標は、死ではないと考えている。終末期においてもよりよい毎日を積み重ねていくことだと思っている」、Morrison先生は「利用者のニーズに沿った取り組みは日本に限らずアメリカにおいても例外と言えるが、誰もが年をとって自分のケアを他人にゆだねるしかなくなった時には、今回のセミナーで紹介されたようなケアをしてもらいたいと望むに違いない。今すぐにどこの施設でも、どの地域でもと望むことは、難しいと思うが、これが例外ではなくケアに基本でなけばならない。」、Morris先生は大きなビジョンを描くこと、そしてそれを成し遂げるリーダーシップこそが変化をもたらす参加者の皆様方にもさらなる努力が望まれる。そうでなけれは制度の変革というのは難しい。ケアという文化は、一夜にして変えることはできないが、それを変えるためには、多くのステップを踏まなければならない。患者や家族に対する教育ということも含めて既定の概念を変えてケアを違った見かたでとらえなくてはならないことも生じる」とアドバイスいただいた。

Morrison先生 Morris先生 パネルディスカッション

Morris先生によるマッサージセラピーの実演 Morris先生によるマッサージセラピーの実演 Morris先生のマッサージセラピーの講演
 

終末期医療の倫理問題にどう取り組むか
―看護・介護・医療におけるQOL―

開催日時 2008年8月2日(土)10:30〜18:00
2008年8月3日(日)10:00〜15:15
開催場所 女性と仕事の未来館ホール(東京都港区)
海外講師 Lachlan Forrow,MD.
(ハーバードメディカルスクール准教授・医学博士)
Julie Knopp,NP.
(ベス・イスラエル・ディーコネス医療センター 緩和ケア・看護師)
国内講師 恒藤暁(大阪大学大学院医学系研究科緩和医療学教授)
長谷川美栄子(東札幌病院看護部長)
日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長,聖路加国際病院理事長)
ファシリテータ:
徳田安春(聖路加国際病院内科副医長,東邦大学客員講師)
プログラム 8月2日(土)10:00-18:00
・開会挨拶  日野原重明
・「終末期医療における倫理問題へのアプローチ」Lachlan Forrow
・「終末期ケアにおける倫理問題へのアプローチ」Julie Knopp
・質疑応答
・「わが国の終末期医療の問題点」恒藤暁
・「終末期ケアに関わる倫理問題へのとり組み」長谷川美栄子
・事例をもとにしたワークショップ:ファシリテータ・徳田安春
8月3日(日)10:00-15:15
・ワークショップ発表
 ディスカッション:「患者のQOLの確立と倫理問題へのとり組み」
   ファシリテータ:徳田安春
   ディスカッサー:Lachlan Forrow , Julie Knopp , 長谷川美栄子
・ディスカッションをへて「臨床的倫理と看護」Julie Knopp
・ディスカッションをへて「臨床的倫理と医療」Lachlan Forrow
・質疑応答
・閉会挨拶  日野原重明
 治療の選択,その継続と中止,尊厳をまもること,苦痛からの解放,情報の共有と守秘,セデーション,安楽死など。生と死にかかわる倫理問題は医療や介護の現場において向き合わねばならない課題です。
 これらの問題に,私たちはさまざまな価値観や思いを受け止めながら,日々の仕事の中で柔軟な対応を行うことが求められています。今回はベス・イスラエル・ディーコネス医療センターで長年倫理プログラムに携わるLachlan Forrow博士とそのスタッフを招き,終末期医療・看護の現場で患者・家族・医療スタッフ・介護フタッフが直面する倫理問題について,具体的な事例をもとに参加者がグループディスカッションを行い,Lachlan Forrow博士・Knopp看護師も各グループをまわり参加者と共に事例について意見交換し,また,各グループでの意見をまとめ,各グループ代表者が発表を行うなど,活発に議論を展開しました。
 最後に日野原理事長は,日本人とは違った環境,異なった生活習慣を持つ専門家と参加者が一緒に語り合うフォーラムを持つことの有意義さ,QOLには人の生命をどう大切にするかという生命倫理に直結する問題と,たとえ短い命であっても,どうすれば生きがいある生活ができるか,その生活の質をできるだけ高くするという両面の意義,これを生活の中に生かして,できるだけ格調高く価値ある生を生きていくことが倫理の実践なのだと考えますと締めくくりました。

 Lachlan Forrow Julie Knopp 恒藤 暁 教授

 長谷川美栄子看護師 パネルディスカッション グループワーク

「いのちの畏敬と生命倫理」
医療・看護の現場で求められるもの

開催日時 2007年8月10日(金)10:30〜16:30
2007年8月11日(土)10:00〜16:30
開催場所 女性と仕事の未来館ホール(東京都港区)
海外講師 Dr.Lachlan Forrow
(ハーバードメディカルスクール准教授・医学博士)
国内講師 木村利人(恵泉女学園大学学長・博士(人間科学),早稲田大学名誉教授)
手島恵(千葉大学大学院看護学研究科教授)
日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長,聖路加国際病院理事長)
鶴若麻理(聖路加看護大学助教(生命倫理))
プログラム 8月10日(金)10:30-16:30
・「医療従事者にとってのバイオエシックス」木村利人
・「臨床における生命倫理の問題―看護の立場からー」手島惠
・「ハーバード大学・看護学における生命倫理の教育カリキュラムについて」ラックラン・フォロー
・バイオエシックスに関する演習(グループワーク)
8月11日(土)10:00-16:30
・「グループワークから見えてきたもの」
・「いのちといじめの問題の取り組み」日野原重明
―日本オスラー協会記念講演会―
・「シュバイツァー博士の思想を受け継ぐ バイオエシックスの今日的意味」ラックラン・フォロー
・対談「オスラー博士の考える 生命の尊厳について語り合う」日野原重明・木村利人
 急激に発達する科学技術の中で,私たちは今まで想像し得なかったさまざまな新しい倫理的問題に直面しています。例えば生殖医療やクローン技術をはじめとするようないのちの誕生をめぐる生命操作,ヒトゲノム研究の進展に伴う種々の差別や遺伝情報の管理などの問題,ヒト由来の細胞・組織の利用,医科学実験のための被験者の保護,脳死をめぐる死の定義,死にゆく人々へのケアや高齢者介護をめぐる問題などです。
 私たちは,日々の臨床現場でこのような生命倫理の問題をどのように捉え,対応していけばよいのでしょうか。また医学・看護教育において,どのように生命倫理に関する教育が求められているのか。
 今回のセミナーは,バイオエシックスの研究・教育に長年携わっておられる木村利人先生,手島惠先生,鶴若麻理先生,ハーバード大学教授のラックラン・フォロー先生を迎えて,日々の臨床で直面するいのちに関する問題を生命倫理の視点から,グループワークを交え,参加者全員で共に考えました。

 ラックラン・フォロー博士 木村利人先生 手島惠先生 

 パネルディスカッション グループワーク 日野原重明先生
 
 

マックマスター大学に学ぶ
医師・看護師・医療従事者のための
「臨床実践能力の教育方略と評価」

開催日時 2006年7月8日(土)10:00〜17:50
2006年7月9日(日)10:00〜16:00
開催場所 女性と仕事の未来館ホール(東京都港区)
海外講師 Alan John Neville,MD.
(マックマスター大学保健科学部教授)
Andrea Bauman,Rn.Ph.D.
(マックマスター大学保健科学部看護学科部長)
国内講師 コーディネーター:
小山眞理子(神奈川県立保健福祉大学教授,看護学科長)

国内講師:
大滝純司(東京医科大学教授,病院総合診療科教授)
佐藤エキ子(聖路加国際病院副院長・看護部長)
日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長,聖路加国際病院理事長)
道場信孝(ライフ・プランニング・センター最高顧問,帝京平成大学教授)
 複雑化された医療現場での問題にアプローチするためには、保健医療福祉に関わる専門職が共通の基盤を理解するために、教育や医療の現場で共に学びあう教育が、英国を中心とした国際的な流れになっている。英国においては、医療ミスや倫理を無視した医療行為や、ヘルスケアの恩恵を受けられずに放置される人々が多くいることを認識され、10年前から政府の政策として重要視されている。しかし、日本においては、これらの概念は専門職の間でも十分に浸透しているとはいえない。
 講師のBaumann先生は、マックマスター大学においては、学生教育の中で、各職種が他職種の役割についても認識し、職種間の討論も十分に取り入れていると紹介した上で、職種を越えた教育は教室ではなく、臨床の現場にあることを強調された。
 Neville教授は、この教育の過程では、標準化した客観的評価のために、SPの協力を得たOSCEが重視されており、模擬的状況下で学生が臨床の実践に即した行為を実際にやってみせ、これを採点することで臨床能力を評価する方法が有効であると話された。
 このフォーラムを通して、専門職がそれぞれの専門分野のエキスパートであることは当然として、さらに専門職連携が必要であることを社会的にも認識し、後押しすることが重要であると確信した。
  Neville教授とBaumann先生 グループディスカッション パネルディスカッション


「臨床能力を高めるための模擬患者の活用」
−PBL教育におけるその展開−

開催日時 2005年8月6日(土)9:00〜18:00
2005年8月7日(日)9:00〜17:00
開催場所 聖路加看護大学ホール
海外講師 Dr.Andrea Bauman,Rn.Phd
(マックマスター大学保健科学部看護学科部長)
Dr.Mabel Hunsberger,Rn.Phd
(マックマスター大学保健科学部看護学科助教授)
Laurie Kennedy(Standardized Patient)
国内講師 日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長,聖路加国際病院理事長)
吉井文均(東海大学医学部神経内科教授)
山本利江(千葉大学看護基礎看護学教育研究分野助教授)
道場信孝(ライフ・プランニング・センター最高顧問,帝京平成大学専門学校校長)
藤崎和彦(岐阜大学医学部医学教育開発研究センター)
 ●マックマスター大学におけるSPの活用についてのプレゼンテーシション
  @医学・看護教育におけるSP活用の実際
  A特殊患者を演じるSPの養成と活用
  BSPをPBL(問題志向型学習)評価に用いる場合
  CSPをコミュニケーション学習評価に用いる場合
  DSP・学習者・教師の役割
 ●SPによるデモンストレーション
  マックマスター大学における実際のSPを用いたPBLに基づいた授業の再現
 ●日本の現状
 ●ワークショップ「シナリオづくり」
 今回のフォーラムにおいて、カナダと日本の医学看護学教育のシステムの違いと、旧態依然とした講義型教育の授業形式から抜け出せないわが国の現状について、反省と改革への必要性が急務であることを参加者全体で確認することとなった。
  パンルディスカッション グループワーク


ナースによるフィジカルアセスメントの実践
日本の看護教育におけるフィジカルアセスメントに関する教育の問題点と現状

開催日時 2004年8月28日(土)13:00〜18:00
2004年8月29日(日)9:00〜16:30
開催場所 聖路加看護大学ホール
海外講師 Margery Chisholm,Rn.EdD,CS,ABPP
(MGH Institute of Heaith Professions所長兼教授)
Patrice Kenneally Nicholas,DNSc,MPH,RN,ANP)
(MGH Institute of Health Professions Graduate Program in NursingのAssociate Professor)
国内講師 日野原重明(ライフ・プランニング・センター理事長,聖路加国際病院理事長)
山内豊明(名古屋大学教授)
和田忠志(あおぞら診療所院長)
操華子(聖ルカ・ライフサイエンス研究所看護リサーチ主任,聖路加国際病院臨床研究支援ユニット担当)
道場信孝(ライフ・プランニング・センター最高顧問,帝京平成大学専門学校校長)